こんにちは。
今回は被災した時の水の扱いについて見ていきましょう。
地震などで被災してとにかく貴重なものが「水」です。
普段は文字通りで湯水の如く使うことができますが、被災して水道が使えなくなると水は途端に価値が増します。
生命を維持するのに必要な飲み水としてはもちろん、服を洗ったり体を洗ったりと何をするにも水は必要です。
東京都水道局の調査では、手洗いや歯磨き・シャワーなど家庭で一人の人間が1日に使う水の量は200リットルを超えるそうです。
お風呂の浴槽1杯分。重さにして200kg以上です。
これだけの水を水道管無しで毎日用意することはできないですよね。
なので災害時は平常時のように潤沢に水を使うことはできず、限られた水を工夫して使うことが大切になります。
普段、水道管が使える状態では水は上水と下水の2つに分かれますよね。
災害時は水を次の4つの種類に分けます。
- 飲み水(上水)
- 洗い水
- 流し水
- 汚水
1の飲み水が最もキレイで数字が上がるしたがって水は汚れていき4の下水が最も汚れた水になります。
それぞれの水の使い方を説明していきましょう。
言わずもがな飲むための水です。
最も衛生的な水で水道水やミネラルウォーターを指します。
平常時であれば手に入れやすいですが、災害時は手に入れることが一番難しい水です。
飲み水には適さないが手や体・衣類の洗濯など洗い物に使える清潔な水です。
お風呂の残り湯や容器に集めた雨水などが「洗い水」に該当します。
洗い物に使った後の水もなるべくとっておくと次の流し水として活用できます。
洗濯などを行った後の水で洗い水にも適さないが、水洗トイレの汚物を流すのに使ったりと汚水になる一歩手前の水です。
汚水です。近くにあると衛生的に問題があるため下水管に流すなどで適切に処理しましょう。
飲み水・洗い水・流し水それぞれを適切な場所で使い分けることで同じ1リットルの水でも様々な用途に使いまわすことができます。
災害で水道が使えない時は、少ない水を工夫して使うことで足りない水をカバーしましょう。
ペットボトルの水には賞味期限があります。
しかし賞味期限が切れても基本的に水の品質に変化はありません。
ここでの賞味期限は製造時の水の量より減ってしまう時期になります。
ペットボトルから水が漏れることなんてなさそうですが、実はペットボトルは水蒸気が通過することができ、時間が経つにつれて水が蒸発していってしまうのです。
しかし水の性質には影響がないため、多少期限が切れてしまったペットボトルの水も未開封であれば飲んでも問題ないでしょう。
ただ保管状態によっては水の状態が変化することもあるため、変なにおいなどないか総合的に判断してから飲むようにしましょう。
お風呂の残り湯の活用
昔から「火事や災害の時のために風呂の残り湯は残しておけ」と言われます。
浴槽に残る200リットルの水は飲み水としては使えなくても、火事や水道が使えない時にはとても頼もしい存在になります。
✅ トイレを流すときに使う
水道から水が出なくなるとトイレを流すこともできません。
そんな時、バケツでお風呂の水を汲んでトイレに流すとトイレをきれいな状態に保つことができます
ただ状況によっては注意点があることを認識しておきましょう。
地震などで下水管が損傷を受けていたり洪水などで下水道の水があふれている場合、汚水が漏れ出ることがあります。
特にマンションなどの上の階にお住まいの方は途中の下水管が壊れているときに水を流してしまうと下の階で汚水が漏れて迷惑をかけてしまうことがあります。
下水が機能していることが確認できるまで下水の水を流さないようにしましょう。